キャンペーン
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Introduction + Story
心の扉をひらくと、新しい風が入ってくる
もろく傷つきやすい人間たちが、苦しみの末に手にした人生を開く鍵とは?
  • ローマの高級住宅街。同じアパートに住む3つの家族。
    顔見知り程度の隣人の扉の向こう側の顔を誰も知らない。
    ある夜、建物に車が衝突し女性が亡くなる。運転していたのは3階に住む裁判官夫婦の息子アンドレアだった。2階のモニカは夫が長期出張中のため一人で出産のため病院に向かう最中で、1階の夫婦は仕事場が崩壊したので娘を朝まで向かいの老人に預けることにした。小さな選択の過ちが、予想もしなかった家族の不和を引き起こし、彼らを次第に追い詰めていく。彼らが手にする未来の扉を開く鍵とは?スリリングな展開に目が離せなくなる。
  • 巨匠モレッティが卓越した演出で見せる緊迫のドラマ
    「息子の部屋」でパルム・ドールを受賞以来、カンヌ国際映画祭の常連となったモレッティ。俳優として3階の父親役を演じるほかマルゲリータ・ブイをはじめアルバ・ロルヴァケルやリッカルド・スカマルチョらイタリアを代表する俳優たちが出演しているのも見逃せない。
ローマの高級住宅街。
同じアパートに住む3つの家族。
顔見知り程度の隣人の扉の向こう側の顔を誰も知らない。
ある夜、建物に車が衝突し女性が亡くなる。運転していたのは3階に住む裁判官夫婦の息子アンドレアだった。2階のモニカは夫が長期出張中のため一人で出産のため病院に向かう最中で、1階の夫婦は仕事場が崩壊したので娘を朝まで向かいの老人に預けることにした。小さな選択の過ちが、予想もしなかった家族の不和を引き起こし、彼らを次第に追い詰めていく。彼らが手にする未来の扉を開く鍵とは?スリリングな展開に目が離せなくなる。
巨匠モレッティが卓越した演出で見せる緊迫のドラマ
「息子の部屋」でパルム・ドールを受賞以来、カンヌ国際映画祭の常連となったモレッティ。俳優として3階の父親役を演じるほかマルゲリータ・ブイをはじめアルバ・ロルヴァケルやリッカルド・スカマルチョらイタリアを代表する俳優たちが出演しているのも見逃せない。
Director
ナンニ・モレッティ
Nanni Moretti
1953年8月19日トレンティーノ=アルト・アディジェ州ブルーニコ生まれ。ローマで育つ。父は碑文研究者ルイジ・モレッティ。父はまた俳優として度々彼の作品に出演した。兄フランコ・モレッティは比較文学者・文学理論研究者で著書の邦訳もある。
学生時代は映画と水球に熱中し、後に水球選手を主人公に映画『赤いシュート』(1989)を製作。1973年に切手のコレクションを売って手に入れたスーパー8で短編「La sconfitta」を、1976年には最初の長編映画「Io sono un autarchico」を撮影。この作品で続く4作品でも自ら演じることになる架空の人物Michele Apicellaが登場する。Apicellaは母の旧姓。この作品は16ミリフィルムにブローアップされベルリンやパリのシネクラブなどでも上映された。77年には俳優としてヴィットリオとパオロのタヴィアーニ兄弟が監督した『父 パードレ・パドローネ』に出演し、パルム・ドールを受賞。後にベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞したタヴィアーニ兄弟の『塀の中のジュリアス・シーザー』(2012)の配給会社探しが難航していた時、いち早くこの作品を見抜き自身の会社サケルが配給に名乗りをあげた。
1981年の『監督ミケーレの黄金の夢』でヴェネツィア国際映画祭審査員特別賞受賞。85年には『ジュリオの当惑』ではベルリン国際映画祭、審査員特別賞を受賞。93年の『親愛なる日記』でカンヌ国際映画祭監督賞を受賞し、2001年の『息子の部屋』でパルム・ドールを受賞。『親愛なる日記』以降は監督作全てがカンヌ国際映画祭のコンペンティション部門で上映され、2012年には審査委員長を務めた。日本で劇場公開される機会は少ないが短編やドキュメンタリー作品も多く発表している。最新作は「Il sol dell'avvenire」で『夫婦の危機』でシルヴィオ・オルランドに主役の座を譲って以来久しぶりに主役を演じている。
ローマでNuovo Sacherという映画館を共同経営している。名前はモレッティの好きなケーキ、ザッハトルテに由来する。
映画館「Nuovo Sacher」
Filmography
1976
IO SONO UN AUTARCHICO
1978
青春のくずや~おはらい ECCE BOMBO
1981
監督ミケーレの黄金の夢 SOGNI D’ORO
ヴェネチア国際映画祭 特別金獅子賞(審査員特別賞)
1984
僕のビアンカ BIANCA
1985
ジュリオの当惑 LA MESSA È FINITA
1986年ベルリン国際映画祭 銀熊賞(審査員グランプリ)
1989
赤いシュート PALOMBELLA ROSSA
1993
親愛なる日記 CARO DIARIO
カンヌ国際映画祭監督賞受賞
1998
ナンニ・モレッティのエイプリル APRILE
2001
息子の部屋 LA STANZA DEL FIGLIO
カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞
2006
夫婦の危機 IL CAIMANO
2011
ローマ法王の休日 HABEMUS PAPAM
2015
母よ、 MIA MADRE
2021
3つの鍵 TRE PIANI
Director's Comment
この映画はエシュコル・ネヴォの小説が原作で同じ建物に暮らす3つの家族のお話です。罪悪感、選択の結果、正義、親としての責任など、普遍的なテーマを扱っています。登場人物たちは脆く怯えていて、恐怖と強迫観念に駆られ、しばしば極端な行動をとってしまいます。その理由は私たちにはよく理解できるものです。小説では危機の真っ最中に物語が終わります。しかし映画では、物語を最後までたどり、登場人物の行動が彼ら自身や彼らの愛する人たちの人生に与える影響を探ることが重要だと考えました。

それぞれの物語は1つの映画のように展開し、やがて互いに絡み合っていきます。ひとりの人物から別の人物へ物語が移っていく中、物語を中断したり、シーンの切り替えを追加したりすることは考えられませんでした。小説で扱われたテーマの深さから、映画は本質的なものに絞り込むべきであり、雑念や脱線のないドライなトーンであるべきだと考えたのです。
私たちが子供たちに残す自然遺産について多くの議論が交わされる今日においても、倫理的・道徳的遺産という観点から何を残すかについては、ほとんど語られていません。私たちの行動ひとつひとつが、たとえ家庭のプライバシーであっても、将来の世代に影響を与えるものなのです。私たち一人ひとりがこの事実を認識し、その責任を負わなければなりません。私たちの行動が、子供たちに影響を与えるのです。この物語は、私たちがいかに孤立した生活を送り、もはや意識することもない、あるいは使い捨てのコミュニティから、自分をどれほど遠ざけてしまっているかを描写しています。また、自分をコミュニティの一部と感じるために、私たちがどれほど集団的努力に関与しているかを示しています。この映画は、私たちの家庭の壁の外に存在する外の世界へ、心を開くよう誘っているのです。今、私たちは、この3つのフロアのいずれかに自分自身を閉じ込めないようにすることが重要です。
Cast
ドーラ
マルゲリータ・ブイ
Margherita Buy
ルーチョ
リッカルド・スカマルチョ
Riccardo Scamarcio
モニカ
アルバ・ロルヴァケル
Alba Rohrwacher
ジョルジョ
アドリアーノ・ジャンニーニ
Adriano Giannini
サラ
エレナ・リエッティ
Elena Liett
アンドレア
アレッサンドロ・スペルドゥティ
Alessandro Sperduti
シャルロット
デニーズ・タントゥッチ
Denise Tantucci
ロベルト
ステファノ・ディオニジ
Stefano Dionisi
ドーラ
マルゲリータ・ブイ
Margherita Buy
1962年1月15日生まれ、ローマ出身。7度ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞の最優秀主演女優賞を受賞し、イタリアのメリル・ストリープと称されることもある。高校卒業後1度不合格となるも、シルヴィオ・ダミーコ国立演劇芸術アカデミーに学ぶ。ニーノ・ビッザッリ監督作「La seconda notte」(1986)で映画デビュー。ダニエレ・ルケッティ監督作品に2作続けて出演し「La settimana della Sfinge」(1990)で1990年のサンセバスティアン国際映画祭の最優秀女優賞を受賞。夫でもあったセルジオ・ルビーニ監督の『殺意のサン・マルコ駅』(1990)で最初のダヴィッド・ディ・ドナッテッロ賞を受賞。フェルザン・オズペテク監督の「無邪気な妖精たち」(2001)マリア・ソーレ・トニャッツィ監督『はじまりは5つ星ホテルから』(2013)ジュゼッペ・ピッチョーニ監督『もうひとつの世界』(1998)ジュゼッペ・トルナトーレ監督『題名のない子守唄』(2006)などイタリアを代表する監督の作品に次々に出演。モレッティ作品には『夫婦の危機』(2006)から4回目の出演。カーラ・デルヴィーニュ主演の「Together Now」やパオロ・ジェノヴェーゼ監督「il primo giorno dell amia vita」の公開を控え、モレッティ監督の次回作「Il sol dell'avvenire」にも出演している。
ルーチョ
リッカルド・スカマルチョ
Riccardo Scamarcio
1979年11月13日プーリア州トラーニ生まれ。母は画家。高校時代に何度も退学になり、友人の勧めでローマに移りイタリア国立映画実験センターで学ぶ。舞台での経験を積んだ後にテレビシリーズでデビュー。映画初出演はマルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督の『輝ける青春』(2003)。以降2004年に主演した恋愛映画「Tre metri sopra il cielo 」が興行的に大成功し、彼の世代で最も有望な俳優の一人としても注目された。ミケーレ・プラチド監督『野良犬たちの掟』(2005)フェルザン・オズペテク監督『明日のパスタはアルデンテ』(2010) ウディ・アレン監督『ローマでアモーレ』(2012)パオロ・ソレンティーノ監督『Loro 欲望のイタリア』(2018)などギャングから女性を虜にする好男子までを演じる。イザベル・ユペールらと共演し、カラヴァッジョを演じたミケーレ・プラチド監督の「L’ombra di Caravaggio」(2022)の公開が控える。
モニカ
アルバ・ロルヴァケル
Alba Rohrwacher
1979年2月27日、ドイツ人の父とイタリア人の母の間にフィレンツェで生まれる。フレンツェのアカデミアで演技の勉強を始め、イタリア国立映画実験センターで演技を学ぶ。映画デビューはカルロ・マッツァクラーティ監督の「愛はふたたび」(2004)でシルヴィオ・ソルディーニ監督『日々と雲行き』(2007)ルカ・グァダニーノ監督『ミラノ、愛に生きる』(2009)などに出演。2009年にはベルリン国際映画祭のシューティング・スターに選ばれる。2014年にアダム・ドライバーと共演した『ハングリー・ハーツ』(2014)でヴェネチア国際映画祭女優賞を受賞。『幸福なラザロ』(2018)で知られる妹で監督のアリーチェ・ロルヴァケル作品にも出演。演じる役の幅が広く、現在イタリア国内のみならず国際的にも活躍するイタリア映画界に欠くことのできない女優の一人。最新作に『靴ひものロンド』(2020)マギー・ギレンホールが監督した「ロスト・ドーター」(2021)がある。
ジョルジョ
アドリアーノ・ジャンニーニ
Adriano Giannini
1971年5月10日ローマ生まれ。父は俳優、監督のジャンカルロ・ジャンニーニ、母は女優、監督、脚本家のリヴィア・ジャンパルモ。18歳から母親の作品にアシスタントで参加する。2002年にガイ・リッチー監督でマドンナ主演のリメイク『スウェプト・ウェイ』に出演。オリジナル『流されて…』(1974)で父が演じた役を演じ一躍有名になる。続く2004年には『オーシャンズ12』に出演する一方、パオロ・ソレンティーノ監督「愛の果てへの旅」(2004)エミール・クストリッツァと共演した「氷の森」(2014)やシルヴィオ・ソルディーニ『エマの瞳』(2017)ダニエレ・ルケッティ監督『靴ひものロンド』(2020)などイタリアを代表する監督たちの作品に数多く出演。また声優としても活躍しヒース・レジャーやホアキン・フェニックスの声などを担当。アシュレイ・ジャッドやショーン・ビーンと米国ABCのドラマシリーズ「ミッシング」にも出演している。
サラ
エレナ・リエッティ
Elena Lietti
1977年10月1日ロンバルディア州のサロンノに生まれる。フィリッポ・ティーミと舞台でのキャリアをスタートさせ、ミラノのTeatro Franco Parentiの様々な演目に出演。映画デビューは2009年のルカ・ルチーニ監督の「oggi sposi」で2012 年にはパオロ・ヴィルズィ監督の『歓びのトスカーナ』ジュゼッペ・ピッチョーニ監督『ローマの教室で〜我らの佳き日々〜』(2012)に出演。「ぼくは怖くない」で知られる小説家ニッコロ・アンマニーティが監督で参加したテレビシリーズ「il miracolo」でよく知られている。最新作はパオロ・コニェッティ原作の「Le Otto montagne」。
アンドレア
アレッサンドロ・スペルドゥティ
Alessandro Sperduti
1987年7月8日ローマ生まれ。子役としてCMやTVでキャリアをスタートさせる。 映画出演作には、クシシュトフ・キェシロフスキ監督の遺稿脚本を『ラン・ローラ・ラン』のトム・ティクヴァ監督が映画化した2002年の『ヘヴン』。デンマークで出版され世界的ベストセラーとなったアン・ホルムの同名小説を映画化した第二次世界大戦の感動ドラマ『アイ・アム・デビッド』(2004)エルマンノ・オルミ監督の『緑はよみがえる』(2014)やパオロ・タヴィアーニ監督「Una questione private」(2017)などがある。2016年には人気を博したテレビシリーズ「メディチ」でダスティン・ホフマンと共演した。
シャルロット
デニーズ・タントゥッチ
Denise Tantucci
1997年3月14日マルケ州ファーノ生まれ。母はドイツ人、父はイタリア人。故郷の劇団で演技の勉強を始め、のちにローマに移り本格的に学ぶ。デビューはRaiで放送された人気テレビシリーズ「Provaci ancora prof!」で「un medico in famiglia」第9シリーズで演じた両親を探すアルバニア人役で有名になった。映画デビューはネリ・パレンティ監督の「Ma tu di che segno 6?」 (2014)で続く2016年にティムール・ベクマンベトフ監督によるパラマウント映画『ベン・ハー』のリメイクに出演。2018年にはレオナルド・グエッラ・セラーニョリ監督のロカルノ映画祭で上映された「ひと夏の体験」に主演した。2020 年ミラノ大学の物理学の学位を取得。
ロベルト
ステファノ・ディオニジ
Stefano Dionisi
1966年ローマ生まれ。ローマの劇団La Scalettaで演技を学ぶ。1994年に主演したジェラール・コルビオ監督の『カストラート』で一躍有名になる。フランチェスコ・ロージ監督『遙かなる帰郷』(1997)やジュリエット・ビノシュ主演の『年下のひと』(1999)などに出演。語学に堪能でイタリア映画のみならず国際的に活躍。2015年に自伝「La barca dei folli」を発表し、長い間苦しんできた精神疾患との闘いについて語った。
Comment
監督の腕の冴えに嫉妬を覚えます。
評判の板前がいるという寿司屋
のれんをくぐってカウンターの前にゆったりと座る
これが この映画を鑑賞する心構えです。
久米宏
フリーアナウンサー
幸福は美しいものとは限らない。
失って初めてわかるのが、
本当の幸福だと教えてくれた。
中江有里
女優・作家・歌手
冒頭、観客は次々に映される意味不明で衝撃的な
「現在」に直面させられる。
話は5年後、10年後へと進み、当初感じた混乱と絶望が、
静かな諦念と希望に終わる後味に陶酔した。
斎藤学サイトウ サトル
精神科医
敬称略・順不同
モレッティの大いなる帰還
STAMPA
開かれた世界への招待
CORRIERE DELLA SERA
ストーリーテリングの気迫と演出の巧みな技
The Guardian
このアパートは、きちんと演出され所有者の好みを反映し
変化を抑制する役割も担っている
SCREEN DAILY